多様な働き方の調査研究機関「ツナグ働き方研究所（拠点：東京都千代田区/所長：平賀充記)」は、ここ数年で広がりを見せる「単発、短時間、短期間で働くスポットワーカーの市場」について定点観測する「スポットワークマーケットデータレポート」を毎月発表しています。

本レポートでは、2024年3月度最新データについて、とりまとめましたのでご報告いたします。

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トピックス

１．スポットワークの求人倍率は1.48倍。前月を大幅に上回るが、前年比は3か月連続マイナス

２．新規ワーク数は、前年比+17.8%。主要職種では倉庫内・軽作業が前年比＋29.4%と伸長

３．スポットワーカーの平均時給は1,161円。2か月連続で通常アルバイト平均時給が上回る

■１．スポットワークの求人倍率は1.48倍。前月を大幅に上回るが、前年比は3か月連続マイナス

2024年3月度のスポットワーク求人倍率は1.48倍と、1年ぶりに1倍を下回った2月度より0.57ポイント上昇し、季節トレンドどおり前月を大幅に上回る結果となりました。一方で、前年同月比では、求職者数が大きく増加（+24.4%）したこともあり、3か月連続で下回る状況が続いています。

■２．新規ワーク数は、前年比+17.8%。主要職種では倉庫内・軽作業が前年比＋29.4%と伸長

景気の先行景気の先行指標とも言われる新規ワーク数は83,015件。6月から10か月連続で前月比プラスを維持しています。主要職種では倉庫内・軽作業が前年比＋29.4%と最も伸びが高くなっています。

■３．スポットワーカーの平均時給は1,161円。2か月連続で通常アルバイト平均時給が上回る

2024年3月度のスポットワーク平均時給（首都圏・関西圏・東海圏の3大都市圏）は1,161円。前月差-12円、前年差+7円となりました。通常のアルバイト平均時給1,188円（※リクルート発表「アルバイト・パート募集時平均時給調査」）との比較では27円安い結果となりました。

主要３職種で最も賃金差が大きいのは、運送・ドライバー系でスポット1,163円、アルバイト1,216円と、アルバイト時給が53円高くなっています。

スポットワークマーケットデータレポートとは

〇スポットワークマーケットの定義

スポットワークとは、単発、短時間、短期間で働き「継続した雇用関係」のない働き方を指します。その中でも、雇用契約を結ばない“ギグワーク”と、単期雇用契約を結ぶ“単発バイト”の２種類に分類されます（ギグワークの代表例として、ウーバーイーツ配達員が挙げられます）。こうしたワークスタイルで働く個人、活用する企業の市場がスポットワークマーケットです。

〇マーケットの現状

個人）働き方改革による残業規制、コロナ禍による休業や勤務時間減少で、追加就労意欲が増大

企業）生産性向上観点から、ムダやムラのない＝必要な時に必要な人数を配置する人件費最適化の高まり

技術）タイムリーかつオンデマンドなマッチを提供するスポットワーク求人事業者の参入

スポットワーカーは、コロナ禍を契機に急増、今後さらに広がりを見せていくことが予見されます。

〇定点観測する意義

総務省統計局の「労働力調査」では、2018年からILO基準の「未活用労働指標」を導入しました。例えば、その中にある「追加就労希望就業者」は「広義の失業者」とも言われる労働者です。現状の就労に追加してスポットで働くことは、労働者の収入安定、すなわち広義の失業率の改善につながります。一方、マクロ的に捉えると、潜在的な労働力活用は国力の向上に寄与することになります。こうした社会的意義と接続する観点から、本マーケットを定点観測し、市場規模の動向、有益なトピック、内在する課題などを可視化するデータレポートを発信していきます。

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出典）単発バイト求人サイト「ショットワークス」2020年3月～2024年3月データ

総務省統計局「労働力調査( 詳細集計)2024年(令和6年)1～3月期平均」

リクルート「アルバイト・パート募集時平均時給調査」

◆本件に関するお問い合わせ先
ツナグ働き方研究所（株式会社ツナググループ・ホールディングス）
担当　：和田
　※お問い合わせは、ツナグ働き方研究所お問い合わせフォームからお願いいたします。