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単発、短時間、短期間で働くスポットワークの求人倍率は0.94倍 1倍を下回るのはコロナ禍の2020年5月以来2年8か月ぶり

スポットワークマーケットデータレポート(2023年2月度版)


多様な働き方の調査研究機関「ツナグ働き方研究所( 拠点:東京都千代田区/所長:平賀充記)」は、ここ数年で広がりを見せる「単発、短時間、短期間で働くスポットワーカーの市場」について定点観測する「スポットワークマーケットデータレポート」を毎月発表しています。

本レポートでは、2023年2月度最新データについて、とりまとめましたのでご報告いたします。



目次[非表示]

  1. 1.  スポットワークの求人倍率は0.94倍。1倍を下回るのは2020年5月以来2年8か月ぶり
  2. 2.新規ワーク数は、対前年比で+7.9%。主要職種ではコンビニスタッフが+46.4%と伸長
  3. 3.スポットワーカーの平均時給は1,150円。4か月連続で通常アルバイト平均時給を上回る


1.  スポットワークの求人倍率は0.94倍。1倍を下回るのは2020年5月以来2年8か月ぶり

2023年2月度のスポットワーク求人倍率は0.94倍でした。1倍を下回るのは、コロナ禍に見舞われた直後の2020年5月以来2年8か月ぶり。12月に高まるスポット求人数が1月2月に落ち着く傾向自体は例年通りですが、求人ピークの12月と比べて1.41ポイントも下落するのは異例といえます。対前年比も-0.38ポイントで、2022年12月から3か月連続で前年を下回っています。


2.新規ワーク数は、対前年比で+7.9%。主要職種ではコンビニスタッフが+46.4%と伸長

景気の先行景気の先行指標とも言われる新規ワーク数は前月比-26,904件の53,527件。前年比は+7.9%で、依然として前年を上回っています。主要職種では特にコンビニスタッフが29,411件と最も多く、伸び率も前年20,089件から前年比+46.4%と安定した伸びを持続しています。


3.スポットワーカーの平均時給は1,150円。4か月連続で通常アルバイト平均時給を上回る

2023年2月度のスポットワーク平均時給(首都圏・関西圏・東海圏の3大都市圏)は1,150円。前月比28円、前年比+63円となりました。通常のアルバイト平均時給1,142円(※リクルート発表「アルバイト・パート募集時平均時給調査」)との比較では8円高く、4か月連続でスポット時給がアルバイト時給を上回りました。主要職種で比較すると、3業種全てアルバイト時給を上回っていますが、特に倉庫内・軽作業ではスポット1,208円、アルバイト1,161円と、スポットワークの時給が47円高くなっています。



スポットワークマーケットデータレポートとは

〇スポットワークマーケットの定義

スポットワークとは、単発、短時間、短期間で働き「継続した雇用関係」のない働き方を指します。その中でも、雇用契約を結ばない“ギグワーク”と、単期雇用契約を結ぶ“単発バイト”の2種類に分類されます(ギグワークの代表例として、ウーバーイーツ配達員が挙げられます)。こうしたワークスタイルで働く個人、活用する企業の市場がスポットワークマーケットです。

〇マーケットの現状

個人)働き方改革による残業規制、コロナ禍による休業や勤務時間減少で、追加就労意欲が増大

企業)生産性向上観点から、ムダやムラのない=必要な時に必要な人数を配置する人件費最適化の高まり

技術)タイムリーかつオンデマンドなマッチを提供するスポットワーク求人事業者の参入

スポットワーカーは、コロナ禍を契機に急増、今後さらに広がりを見せていくことが予見されます。

〇定点観測する意義

総務省統計局の「労働力調査」では、2018年からILO基準の「未活用労働指標」を導入しました。例えば、その中にある「追加就労希望就業者」は「広義の失業者」とも言われる労働者です。現状の就労に追加してスポットで働くことは、労働者の収入安定、すなわち広義の失業率の改善につながります。一方、マクロ的に捉えると、潜在的な労働力活用は国力の向上に寄与することになります。こうした社会的意義と接続する観点から、本マーケットを定点観測し、市場規模の動向、有益なトピック、内在する課題などを可視化するデータレポートを発信していきます。

出典)​​​​​​​

単発バイト求人サイト「ショットワークス」2019年2月~2023年2月データ

総務省統計局「労働力調査( 詳細集計)2022年(令和4年)10~12月期平均」

リクルート「アルバイト・パート募集時平均時給調査」

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